2016年3月16日水曜日

初めてのタイ

仕事で、しかも弾丸出張だったので、大して街の雰囲気が伝わる写真や、はちきれるほど食べたタイ料理の数々も、あまりにみんなでがっついて食べたので、写真を撮る余裕もあまりなかったのだけど、いやあ濃い正味2日間でした。
タイは、日本人コミュニティがものすごく発達していると聞いていたし、周りにもタイ大好きというかハマっている人も沢山見てきたので、きっと何か惹きつける魅力があるのだろうな、とは思っていたけれど。
日本人がどうこうと言うより、タイ人がタイを大好きなんだということがよくわかったような気がします。
それにしても、不思議な国だった。
つい、今まで行った国と比べてしまうけれど、東南アジアはシンガポールまでしか行ったことがないので、やはり中東との比較。 
実は、今回日曜日の朝に着いて半日ほど空き時間があったので、昔目黒に住んでた時に通っていた近所の美容師さんが、今バンコクと東京を行ったり来たりで美容師してるというので、メールで予約を取り、パリに行ってから一度も切っていない髪を何とバンコクで切ってもらった。そこにいたバンコク暦の長い日本人美容師曰く、最初の印象は最悪で、タクシーの運転手が信じられないくらい悪どいぼったくりをするし、二度とこんな国来ないと思ったのだとか。それが、今やタイ人みたいにタイ語ペラペラしゃべっているのだけど…。それを聞いて、思わずもちろんエジプトを思い出しました。陽気に人を騙してくる国民性、ミスをしてもマイペンライ(ノープロブレム。ドンマイみたいな感じ)と言ってくる厚かましさ、なのにというか、だからなのかかなり強権な軍事国家。こ、これはアジアのエジプトか、と。
ちなみに仕事のカウンターパートは役人なのだけれど、トップは軍人出身の大臣。たまたま会議が月曜だったから、毎週月曜は全ての役人が着用を義務づけられているという制服姿で、大臣が部屋に入ってくるとみんな一斉に立ち上がって敬礼、ならぬ合掌(タイ人のお決まりの挨拶ポーズ。これは人の心をくすぐるかわいさがある。)。
その大臣、会議に参加していた唯一の外国人である私を見つけ、いきなりおめでとう!と言ってくる。軍人が何を私に祝福しているのだろうかと、一瞬ドギマギしたけれど、何と、私が日本人だと聞いて、その前日に日本人女子がバドミントンで中国人を破り優勝したという歴史的快挙のことを言ってるらしい。いや、出張先でもつい大相撲の結果が気になってスポーツニュースをこまめにチェックしてたから、私もそのニュース知ってたけれど、、すごい、マニアックすぎるよね⁈スポーツ大好き大臣らしい。というか、バドミントンはアジアの人気スポーツなんですね。

やはり規律の厳しい中にもユーモアを織り交ぜてくるのが、人心掌握術なのかもしれません。

国の比較に少し戻りますが、国の急速発展度合いはやはりエジプトとは比べものにならず、もちろん貧富の差はかなりあるのだけれど、さすがアジア有数の新興国。ビルの建設ラッシュ具合などは湾岸アラブを彷彿とさせるところも。発展とインフラ整備が追いつかず、ものすごい交通渋滞や、特に走っている車の9割くらいは日本車で、高速道路を狭い街中に幾重にも重ねて急ごしらえで作っているのなどを見ると、これは日本の高度成長期かとも見まごう。しかも、タイ人のほとんどは谷村新司の昴を歌えるのだとか。こりゃあ日本のリタイアしたサラリーマン世代が、タイで技術支援などして貢献したくなるわけだ。やっぱり躍動して成長していく国は面白い。

タイは今ちょうど初夏で、学校はすでに夏休み。4月が1年で最も暑くなるのだとか。日中は少し歩くだけで、湿度の高さもあってじとーっと汗ばんでくるし、室内は冷房がガンガン効いているけれど、これが太陽が沈むとともに一気に熱が引いてくる。夕暮れ時、心地よい風が仕事の疲れも癒すのか会社帰りの人で賑わう繁華街、いたるところにある屋台から漂ってくる何とも美味しそうな匂い、開放感たっぷりのテラス形式のレストランも沢山ある。
タイでは、外食が本当に安価で、むしろ食材を買って光熱費をかけて家で少人数のために料理する方が割高なのだとか。時間もとられるし、朝から夜まで平日は屋台も含めてほとんど外食で済ませるらしい。街中に出る予定のない日曜日とかだけ、しょうがないから家で料理するのだとか。外食が高いパリからすると天国のよう。働くお母さんなんか、ホントに助かるだろうな。なんという経済合理性。アベノミクスもこれやったらいいのでは、なんて。そしたら外食産業が困っちゃいますね。
さて、今回は、さすがに屋台を試す時間も勇気もなかったけれど、2日ともタイ人のカウンターパートが、夜食事に招待してくれて、みっちりタイ人とタイ料理を堪能しました。会議の打ち上げも兼ねていたので、総勢20人くらいで、ひたすら料理を注文してみんなでとりわけながら食べまくるという。料理が出てくるスピードもすごいし、みんなの食べるスピードも半端ない。しかもよくしゃべる!弾丸のようにしゃべって食べて笑って、とかなり盛り上がる。
いや、みんなこんな雰囲気で働いてたら楽しいですよね。仕事の話で、タイ政府からパリに人を派遣してインターンとかでもいいから働らかないか、という話が前からあるのだけれど、今回もやっぱり予算もつけてちゃんと検討したんだけど、肝心の行く人が誰もいないのだとか。みんな家族事情とかそれぞれあるけれど、基本的にタイを離れたくないんだよね、と。え、花のパリですよ⁉︎というか、確かにタイ人にとってはここより住み心地のいい場所なんてないのだろうな。3ヶ月でも離れたくないのだとか。どんだけ好きなのか!家族が、とか恋人が、とかじゃなくて、タイを離れたくないということらしい。離れたらまたその良さを実感しますよ、とかいうレベルでもないらしい。

ちなみに、私が知ってるタイ語は8割が食事のメニューだった。何が食べたい?と聞かれて、えーっと、1番好きなのはカオマンガイで、あとはやっぱりヤムウンセンとか、パッタイ、トムヤムクンよりトムカガイが好きかな、あ、ソムタムもいいね。と言ったら、え!タイ語しゃべれるの?とびっくりされました。笑
カオマンガイは、鶏のもも肉を蒸してご飯と食べるものだけど、あれは中国料理で伝統的なタイ料理じゃないよ、とのこと。中国っていうか、シンガポールチキンライスとか、海南鶏飯とかいうものね。でもちゃんと注文してくれました。とにかく何でもすごく美味しかった。庶民の味覚がちゃんとしているところもエジプトみたいかも。あと、次から次へとあれも食べろこれも食べろって皿によそってくるものだから、ホントに動けなくなるかと思うくらいはち切れそうでした。出張前は食事の話なんてしてなかったから、前任者から引き継いだ地球の歩き方で、どこかめぼしいレストランにでも行こうかとも思っていたけれど、全然その必要なかった。しかも、地球の歩き方なんかには絶対載ってないような、結構どこにでもあるような、ファミレスみたいなところだったのだけれど、ホントになんでも美味しかった。きっとタイでは当たり外れとかないのかもしれない。

あと、コップンカーって本当にかわいい言葉だと思う。合掌しながら言うの、言われるよりも自分が言うのが好き。微笑みの国って、タイ人がみんなニコニコしているかと思ってたけれど、もちろんそれもそうだが、自分も微笑んでしまう。
まあ、エジプト要素が大有りだということもちゃんと実感したので、もちろん一筋縄ではいかないが、終わり良ければすべて良しということで、タクシーの運転手に空港で最後、これを言った時に自分がいい気持ちになったので、うん、いい国だった、と。
なお、このタクシーの運転手、最初、お約束で値段ふっかけてこようとしました。きっぱり御断りしたら、笑顔でオッケーって。ダメモトかよ!

タクシーから撮った街の風景。街中電線がものすごいことになっていた。

2016年3月12日土曜日

木蓮咲く

3月は忙しくなると前から覚悟はしていたのだけど、まあまあいっぱいいっぱいな毎日です。
今週末からタイ出張。
その直後に四半期に1回の大きな会議でのプレゼン、更にその翌週には担当案件のレポート作成があり、いろいろと逆算しながら何とか間に合うように、そしてできればなるべく余裕があるように、と思っているのだけど、そこはやはり夏休みの宿題のように、計画通りにはなかなかいかない。余裕日として取っていた日をどんどん切り崩して底をついてしまったような気がする。早くどうにかこの3月の山場を乗り越えたい。。

お天気もあまり優れず、3月でちらほらお花が咲いているのに、結構寒くて、冷たい雨が降ったり、結局今週もほとんど車で通勤してしまった。でも、リスクが大ありな路上駐車。昨日は歩いて帰っていた時に、ちょうど目の前で下手くそだなと私でさえ思うパラレル駐車をしている人がいて、そしたら案の定思いっきり後ろの車にガツンとぶつけているのを目撃してしまった。あれ、どうするんだろう。。嫌なものを見てしまった。まあでも、うちの近くではないし、繁華街だし、狭い通りで交通量が多いところだし、しかも坂道だし!と、、都合のよい解釈をしつつ、まあ引き続き安全運転を心がけます。

パレロワイヤルで咲いていた木蓮の花。色がきれい。
そういえば、最近リヨン駅で期間限定でブース販売している日本の駅弁。ついでがあったので、物は試しに買ってみました。
感動したのは、おーいお茶が売ってたこと(そこか!)。久々のペット飲料はとても美味しかった。でも、やっぱり弁当の中身(私は助六寿司を買った)は、現地生産だからか、レベルはたかが知れているし、なんといってもパッケージに凝りすぎていて、コストパフォーマンスに疑問。まあ、全体の雰囲気として日本を味わってもらうという試行だからな。。しょうがないか。


助六寿司。8ユーロ。


やっぱり、パリに来てまでパリ産の寿司を食べている場合ではないのだ。
ここならではということで、久々にクスクスを食べに行ったら安定の美味しさでなんかホッとしました。


クスクス。オフィス近くでランチ。



2016年3月7日月曜日

納豆キムチ

健脚自慢?なんてしてたのに、今週はなんと毎日マイカー通勤してます。
天気があまり良くなくて、風が冷たかったり、突然雪が降ったり、という日が続いていたというのもあるけれど、やはり冬休み2週目のパリで、交通も少な目だし、路上の駐車スペースに明らかに余裕があり、休み期間だからなのかわからないが必ず夜には路駐スペースが空いている通りがうちのアパートの裏手にあるということを発見してから、すっかり味をしめてしまった。。
同僚いわく、16区は結構いつも空いてるよね・・とのこと。うーん、休み期間が終わっても続けてしまいそうです。

味をしめてしまったといえば、ちょっと意味が違いますが、まさに同じ味に最近はまっているのが、納豆キムチ。
日本でもたまに冷奴の上にかけたりして、好きな組み合わせだったのだけど、パリに来てからまだ手が出てなかったキムチ。それが最近、いつも納豆(冷凍:6個入りのお徳用水戸納豆が7.2ユーロ)を買う韓国食材店でオリジナルのキムチが売っているのに気づき、試しに買ってみたら、これがかなり絶品。日本でスーパーで買ってたのよりも美味しいのでは?という感じ。
もちろんそのまま食べたりしてるけど、納豆と一緒に食べ始めたら、完全にハマってしまった。さすがにマイカー通勤のように毎日は食べてないけれど、1日おきくらいには食べている。
ぐちゃぐちゃ・・
この日は、茹でたきしめんの上に、納豆、キムチ、アボカド、刻みネギ、温泉玉子(ちょっと失敗したけど、沸騰した湯の入った鍋に火を止めて玉子を入れて10分くらい置いたらできるとネットに書いてあったのでやってみた)を乗せて食べた。至福すぎる。

韓国食材店は、日本食材が半分くらい置いてあり、冷凍かぼちゃ、冷凍はんぺん、冷凍かまぼことか何でも置いてあるし、薄切り肉とか、お寿司詰め合わせとか、レンコンやもやしやほうれん草などの生鮮食品も。本当にありがたい。日本と韓国がこんなに持ちつ持たれつで共存しているというのは、外国に出て初めてわかることなのではないだろうか。

ただ、フランス人の日本食材好きの恩恵もすごくあり、こないだ行った近所の魚やさんには、なんと寿司酢やゆず果汁や海苔などなどこだわりの寿司関連食材が沢山置いてあって、感心した。食への関心が何よりも国境を超える・・。

通りがかりの酒屋には日本の酒(特にウィスキー)が沢山!