2015年10月9日金曜日

カジュアルフライデー

日本の職場と比べていろんなことの自由度が高いけれど、もちろん服装もその一つ。
リラックスしすぎなんじゃないかと思う人もいるかもしれないが、清潔感があって、相手に妙な違和感を覚えさせなければなんでもいいということかと。大人の装いというか、それぞれ個性というかこだわりが見られて、細かく観察しているとなかなかにおもしろい。
パリだから特別おしゃれさんが沢山いるというわけではないが、ヨーロピアンが多い職場なので、着心地重視というよりは、ジャストフィットで小物(カフス、靴、アクセサリーの類)に気を使っているなあと感じることが多い。好きなものを楽しんで選んでいるんだなあと、どんなに堅物そうなおじさんでも、そこらへんのこだわりが見えると微笑ましく思えてしまう。
歳を重ねるほどに身につけるものへの愛着が増すって、いいですよね。

また、私自身も観察するのが好きだけれど、みんなもそれぞれよく見ている。
服装を褒めるのは、天気と同じくらいの挨拶シリーズで、こないだもお気に入りのフェラガモのスカーフをしていったら朝一番に隣の課の秘書さん(おそらく50代前後くらいかと思うけれど、ロックバンドの女性ボーカルのような、黒い革ジャンにミニスカートから惜しげもなく細くきれいな脚を出していらっしゃる方)から、「ラブリー・スカーフ!!」と目ざとく?褒められてしまった。

人生の先輩の女性に服装を褒められるのはとても嬉しい。
私も若い女の子にどんどん服装を褒めるようにしようと、心に留めておく。


ということで、今日はカジュアルフライデー。
そういう概念が厳しく決まっているとは思えないほど、フライデー以外も割にカジュアルなんですが、今日はやっぱりジーンズ率が高い。
「日本では職場にジーンズなんてあり得ないのよ」というと、皆にびっくりされる。
チノパンはいいんですけどね。というのはあまり響かない(そんなの当たり前だから)。
夏のアロハやポロシャツはむしろ推奨されているんですよ、エコなんで。といっても、なぜアロハ?とまっとうな疑問が返ってくるだけ。日本人、ハワイが好きなんで。とでも答えるべきか。


いつか日本の職場でもジーンズOKな金曜日が訪れますように。



2015年10月8日木曜日

タルトポンム

りんごを甘く煮てパイで包んで焼くというものが、いつから好きだったかというと、おそらくはるか昔。小学生のときお小遣いで買うおやつはヤマザキパンのアップルパイと決まっていた。なんであんなにリピートしたんだろう・・というくらい。子供の嗜好はホントに保守的というか一途というか。


その後は、大学生でフランスに留学した時、お母さんがエアメールで送ってくれた新聞の切り抜きのレシピでリンゴとサツマイモの甘煮という秋の醍醐味のようなものが無性に食べたくなり、リンゴというよりはサツマイモが食べたかったのだけれど、日本と違って普通に煮ても全然美味しくないフランスのサツマイモが、リンゴと一緒に甘く煮るとリンゴだけの甘さにとどまらず絶妙の変化を添えてくれる名引き立て役のようないい仕事をすることを発見。レーズンを入れたりシナモンを入れたり、いろいろ改良しつつ、なんといってもこれを冷蔵庫で冷やして、朝にフロマージュブランと食べるのが我ながら天才的においしかった。ヨーグルトやアイスクリームではダメで、フロマージュブランでないとはまらない(勝手に)。留学が終わってから、フランスの生活が恋しくなることはたびたびあったけれど、フロマージュブランのない暮らしもその一つだったことは間違いない。

それでも秋が来るとリンゴを煮て、トーストの上に乗せて食べたり、パイシートで包んで焼いたり、ということを繰り返している内に歳を取ってしまったような気もする。
大人になっても変わらず好きなんだなあ。

衝撃的だったのは、数年前に青森に旅行したときのアップルパイのレベルの高さ。弘前にはアップルパイ・マップという市内のパン屋・ケーキ屋の案内図があり、夢中で梯子した。葉とらずりんごのジュースも、文字どおり「今までで一番」美味しいリンゴジュースで、海外に輸出するべきだと一時期熱っぽく周囲に語ってしまっていた。その熱の伝播力というか影響力は全くないんですけどね。



いや、ただ今朝のタルトポンムがおいしかったというだけなんです。りんごがきれいに薄くスライスしてあり見た目も美しい。




実はでもここのパン屋はクロワッサンが絶品。イル・ド・フランスで4番目に美味しいクロワッサンだそう。日本でいえば関東圏で4位!みたいなものか。。





日本のパリ特集誌でも何度も取り上げられているポワラーヌのタルトレットとどっちが好きかと言われれば、やっぱりまだ私はりんごがごろんとして、生地が素朴なタルトレット派だけれど。このまま追及していくと、パリのアップルパイ・マップをいつか作りたくなるのだろうか。

と思ったら、考えることは皆一緒ですでにフィガロで特集してた。2012年に。ポワラーヌは3位。


ストもあるし、役所の仕事は遅いし、歩きたばこは多いし、いろいろ不快なこともあるフランスだけれど、こういうパンを食べると心底脱帽というか、これを生み出す環境すべてに感謝したくなってしまう。






2015年10月7日水曜日

なんでもない日

いつものとおり、少し朝寝坊して、適当な洋服を着て家を出る。
家の前にはごみ収集車を待つ大量のごみが。ちょっと異常に多い気がするのは、雨が続いていたからか、ごみ収集事情がまだよく把握できない。。
風が冷たくて心地よいし、それほど太陽もまぶしくないので、ビラケム橋を渡るにも目がくらまなくて済むなあと考えながら、とりあえず遅れないようにと歩を進める。
途中のパン屋さんで、今日はアプリコット入りのデニッシュ。名前をまた忘れてしまった。
紺のヨットパーカーとおそらく制服のスカートとグレーのブーツを履いていた小学生の女の子とすれ違って、自分もああいう恰好がしたいと思いつつ。小学生さえもファッションの手本になるなんて。感心。

職場に来たら、12月の韓国出張の件で、航空会社からフライト時間変更の通知メールが。
どれだけ遅れるのかと思ったら、帰路のフライトがなんと10分早まるというだけ。
拍子抜けというか、こんなの初めて。秘書と笑いながらびっくりし合う。

仕事はまだ不慣れというか、勝手がわからないことが多いけれど、わからないことを一つ一つ丁寧に取り組んでいけばいいのかなと、最近は焦らないでいようという気持ちになっている。これも時間的な余裕と周囲の理解があるからで、感謝と精進しなければ。


帰り道に嬉しいことがふたつ。

いつもの野菜&フルーツやさんで、玉ねぎ、にんじん、マッシュルームと、クレモンティーヌを買う。寒い季節にはやっぱり柑橘類。
日本にはないクレモンティーヌ。外の皮が厚く、色もみかんよりももっと力強く濃い橙色という感じ。食後に食べたら、とっても美味しかった。外皮をむくと、実はぎっしりで、薄皮そのまままったく気にならずに食べれる。



あとはアパートのエレベーターで素敵なマダムと一緒になり、思い切って尋ねてみた。
「ゴミがここ数日回収されずに放置されてますね、どうしてでしょう?」
マダムは首を横に振りながら、「ああ、ストよ。本当に嫌ね」と。
なるほど、当たり前じゃないか季節行事のストですね。すごい雨が降ってたから回収が遅れてるのかと勘違いしたとは、アホすぎるしフランス語としても通じるかわからなかったので、「パリに住み始めて間もないので、そういう事情があるとは知りませんでした」と、簡単な単語ばかり羅列して会話を続けると、マダムは「まあ。それはなんというか、ごめんなさいね(パリがこんなんで)。ホントに不快だわよね。」と笑顔で返してくれた。
上品なマダムと束の間の井戸端トーク、そしてゴミ収集の謎が解けてすっきり。

レバノンかよ!と内心突っ込んだ私。そのツッコミも相当レアですけど。
マダム曰く、本当に明日には終わってほしいわね。。