2016年5月23日月曜日

雨の5月

早いものでもう5月も末ですが・・前半はお天気が良くて、ふさふさとした街路樹の緑が眩しい陽の光をやわらげてくれるのがとても心地よく、この調子じゃ夏もすぐそこかと思っていたけれど、ここへ来て下り坂。
先週末から雷とともにどしゃぶりの雨が夜ごと降ったり、日本でも放映されている全仏オープンが雨で試合が順延になったりと、今週はなかなか晴れ間を見せてくれないようです。
おかげで週末路上駐車していた車はすっかり全身きれいに水洗いできたのですが、やはり早くまた晴れた日に窓を全開にしてドライブしたい。

お天気が悪いと気分が滅入りがちですが、やはり元気の源はマルシェ。
最近は毎週土曜日の朝にパリで一番美しいというか高級住宅地にあるイエナのマルシェに、車で横づけして、1週間分の野菜や果物をたくさん買うというのが習慣になってきました。
家から歩いていくと30分くらいかかるし、公共交通機関を使うのもなかなか面倒だな・・と思っていたのですが、車で意外に横づけできる(出入りが激しいので意外に路上駐車のスペースがすぐに見つかる)というのを発見し、それからはまっている。。ホントに車人間になってしまった。。

春のマルシェはやはりお花の勢いもすごくて見ているだけで癒されるし(いつも見るだけで結局買わない・・)、春野菜や果物も、旬が割と短いので今まさに食べなくては!という意識も高まり、ここ数週間は毎回ひたすら白アスパラとかグリーンピースとかイチゴやプラムを必ず買っています。

白アスパラは、ゆで方がやはりちょっと難しくて、いつも微妙に茹で足りなかったり茹ですぎていたりで、ちょうどよくなるにはもっと修行が必要ですが、そのゆで汁を使わない手はないということを最近知り、こないだはリゾットを作りました。
白アスパラをゆでるときは、ピーラーでむいた皮や下の方の茎も一緒にゆでるそうで、(あと塩とレモンとあと場合によってはバターなど)それによってとっても風味豊かな出汁が出るのです。
確かにリゾットは適当に洋風おじや的な感覚で作っただけですが、みじん切りの玉ねぎとマッシュルーム、生のグリンピースをこの茹で汁で一煮立ちさせ、そこに冷めたご飯を投入し、最後に生クリームをどばっと入れてパルメザンチーズをどばっとすりおろして入れただけで、塩はあまり入れていないのに、とってもいい味でした。

もちろん、何よりもこの茹でたての白アスパラのジューシーさといったら、野菜の王様のような感じで、ヨーロッパの人たちが春にこぞってこればっかり食べているというのが、ここへ来て改めて大いにうなずけます。

と言いつつも、週の大半はマルシェの後にいつも寄る韓国食材やで仕入れる納豆、豆腐、油揚げ、豚薄切り肉、もやし、などで作るアジア飯(昨日は春巻きを大量に作った)なので、必ずしもフランス飯を十分堪能しているとは言えないのですが・・。


5月のマルシェ
グリーンピース&マッシュルームリゾット

2016年5月16日月曜日

3連休

今週末は、月曜日がフランスの祝日のため、3連休。
土日に運転手兼ガイドのようなことをして疲れたので、月曜は休息デーとしてちょうどよかった。

土日は昔お世話になった上司がパリに来られたので、同じ上司にお世話になった人がたまたま今パリに私を含め3人いるのでみんなで集まりフレンチを食べに行きました。
私は車を出したので、送り迎えや半日観光ツアー(といっても、アラブ世界研究所やオルセー美術館にお連れしただけなのだけど・・)の運転手兼ガイドをさせてもらって、日頃のパリ運転術の蓄積を少し発揮することができたかな、なんて。

フレンチは星付きではないけれどなかなか美味しいレストランで、私のレパートリーがだんだん最近マンネリ化してきているので、もう一人に選んでもらったところだったのですが、なんとその人(男性)が食事ももう終わりあとはデザートが来るだけというタイミングで、顔を手で覆って気分が悪そうだなと思った次の瞬間に椅子から転げ落ちてぶっ倒れて失神してしまったのです。
いわゆる急性アルコール中毒というもので、顔面蒼白で意識も飛んでいるし手が痙攣しているし、突然のことにみんなびっくり。そんなにアルコールの量は多くなかったのだけど、あまり元々強い人ではなかったようで、あとから聞いたらぶっ倒れるのは人生で3度目なのだとか。
みんなで一応介抱して一瞬は意識を取り戻したのだけど、またすぐに倒れてしまって、どうしようと若干オロオロしかけていた私たちですが、お店の人の対応は100点満点以上の素晴らしいものだった。倒れた瞬間に飛んできて介抱を手伝ってくれ、倒れたところを抱きかかえて少し冷たい空気にあたらせるために外のテラス席に連れ出してくれて、そうした力仕事をしつつ、携帯片手にすぐ救急車を呼んでくれて、「この状態では帰せないので救急車を呼んだ。とりあえず見てもらったほうがいい、あと5分でくるから」と困っている私たちをリード、確かに10分と経たないうちに救急車もすぐにきて、駆け付けた救急隊員にお店の人が一部始終を全部説明してくれて、まあ見事な対応ぶりだったのです。

フランス人のサービスの悪さはほとんど一般的なネタになっていますが、こういう火事場というか緊急時の対応って、本当の底力というか実態があらわれると思うのだけど、そのあとの病院でのスタッフの対応とか設備とかも含めて、かなり感心というか、フランスを改めて見直したのでした。まあたまたまピカイチの対応をする人たちにあたったからかもしれないけれど、病人や困っている人を助けるのは一応フランスの「自由・平等・友愛」の精神を体現しているのかもしれない!とはちょっと大げさでしょうか。。

レストランでも他のお客さん(ほとんどフランス人)が、お節介かというほどに、「絶対病院行ったほうがいいわよ、あとで手遅れになってしまうわよ」と言ってきたりとか、日本だとちょっとヒソヒソいうくらいなのかもしれないけれど、無関心ではいられない人たちというのがよくあらわれていた気がする。こちらとしては、お騒がせして本当にすみません、と恐縮しきりだったのだけど、そういうことは逆にまったく意に介せず、という感じで救急車が去ったあとは何事もなかったかのように食事を続けていました。

ちなみに上司とお会計をすませてあとから病院にかけつけると、倒れた人はすっかり回復していて、まったく大事には至らなかったのですが、なんでも今日は夜が重たいフレンチだからということで、お昼ご飯を抜いていたらしく、その空きっ腹にシャンパンやら最初に飲んだのがいけなかったらしい。私なんて運転するからそもそもアルコールは飲まなかったけど、昼もばっちり残り物で雑炊作ってお腹膨らませてきたのに。。(案の定、食事のあとはまたはちきれそうになるくらい苦しくて、私こそお昼を抜けばよかったのだ)
事件が起こる前に食べていた絶品のブイヤベース



翌日、ケロッとなおったその人と一緒に上司をオルセー美術館に案内し、かなりじっくり見る人だったので、何度も通っているとはいえ、私も改めて発見することとかあり、やはり何度でも名画というのは見るべきだと思いました。

今回は、冬に訪れた断崖絶壁のエトルタをモデルにした有名なクールベとモネの絵を写真におさめてきました。夏になったらまた行きたいな(ものすごい混雑だろうけれど)。


クールベのエトルタ

モネのエトルタ

2016年5月8日日曜日

夏にひとっ飛び


日本からゴールデンウィークの休暇を使って友達が遊びに来ていた1週間。
お天気がとても良くて1度も雨も降らなかったし、特に後半は夏日ともいえるような日差しが照りつけ、こないだ冬に逆戻りしたと思ったばかりなのに、春を通り越して一気に夏になったかのよう。

と言っても、日陰は涼しいし、風が吹くとむしろ寒いくらいだけど、今から日差しがこんなに強烈だと、本当の真夏はどうなってしまうのかと、少し思いやられます。

パリは職場も家もエアコンついてないし。。

さておき、友達の滞在中、1日お休みをもらって少しパリ郊外に足を伸ばしてきました。
一つは有名なシャルトルの大聖堂。パリから車で1時間半くらい。
まだ行ってなかったのかというくらい、パリ近郊の観光スポットとしては有名なのだけれど、この機会に行けてよかった。
お天気もすばらしかったし、大聖堂のステンドグラスは聞きしにまさる、美しいシャルトル・ブルーに圧倒されました。





数あるステンドグラスの中でもこちらのブルーが特に素晴らしい、らしい

そして、もう1箇所はパリから車で20分ほどのとても素敵なソー公園(Parc Sceaux)というところに。桜の名所だというので、前から来たいと思ってたのだけど、伸ばし伸ばしになってこの機会に。桜はさすがにもう終わりかけだったけれど、かろうじて残っていて、今年唯一のお花見ができました。
ルイ14世の宰相コルベールのお屋敷だったようで、そのお屋敷というかお城の目の間には広大なフランス式庭園が非常によく整備されて広がっていて、そんな優美で由緒正しい公園なのに、市民に完全無料開放(朝7時半から夜9時半まで開いている)されていて、フランスはやはり偉大だなあと感心してしまった。庭園内は犬の散歩やジョギングする人たちでいっぱい。犬を連れてるかジョギングしてるかのどっちかしかむしろいないくらいで、老人以外で単にそぞろ歩きしているような人は私たち以外見当たらないほどだった・・。


ヴェルサイユにも実はまだ行っていないので、暑くなりすぎないうちに早く行かなくては。