2015年12月8日火曜日

帰り道

パラパラ小雨降る帰り道。
傘がないので家路を急ぐ。
でも出張明けで家に食材もあまりないし、むしろ少しご無沙汰したフランスの食材への恋しさが勝っているので、ちょっと遠回りしてバゲットの美味しいパン屋に寄って帰る。
Victor Hugo通りにある Huréというパン屋さん、2015年バゲットコンクールでトップ10入りしているだけあって、バゲットは突出して美味しい。

雨の中このバゲットのために来ました、という顔をしていたかはわからないけれど、お店に入るといつものバゲットがたくさん立てかけてあるところに一本もないのを見てショックを隠せずに「もうバゲット一本も残ってないんですか?」と残念そうに尋ねると、お店のお姉さん、ちょっと笑いながら「・・ソード!」的なことを言っている。
もしかして、今英語でSold out的なことを言ったのかな、と一瞬聞き取れなくて、聞き返したら「Toute chaude!」と言いながら、カウンターで隠れて見えなかったけれど、足元に山のようにあるバゲットを一本出して「はい、1.2ユーロ」と。
なーんだ。あるじゃん。しかも、焼きたてホヤホヤ!

そう、toute chaudeというのは全部あったかよ、という意味。パン屋の決まり文句でした。
炊きたてご飯かつきたて餅のような感じ。もう触っただけで幸福感に満たされる。
もちもちであったかい感触がなぜみんな大好きなんだろう。やっぱり人間の本能だろうか。
わかりづらいか、、このもちもち感


お気に入りのパン屋からお気に入りの八百屋へ。
カリフラワーとマッシュルームと人参と梨とクレモンティーヌを買って、ようやく家に帰る。梨は絶対冷蔵庫に入れないで明日の朝に食べるんだよ、と念を押される。カリフラワーは今日採れたてだからね、マッシュルームも多分明日出すようの新しいケースから出してくれた。この八百屋さん、「マダム、お伺いします!何をお求めですか?」とお客さん一人一人に丁寧に接客してくれて、レジのお兄さんまで含めて全員がニコニコと気持ちの良い人たち。マルシェの活気も好きだけれど、個人商店の丁寧さと信頼関係もとても心地よい。

フランスのサービスは本当にいけてないと誰もが口を揃えるし、私も日々実感しているところ。でも、コツが必要なんだと最初のオリエンテーションで言われたとおり、挨拶を丁寧にすることと、行きつけのお店を作ることの二つ、これも確かに実感する。
ボンジュールだけではダメで、ボンジュールの後にマダムかムッシュをつけないと失礼なんだと、フランスでは子供の時から厳しく躾けられるとのこと。行きつけのお店を作ると、ちょっとしたコミュニケーションの積み重ねで、いわゆるお得意さん扱いをされ、サービスもぐんと良くなると。

私にとっての行きつけのお店作りは、たやすい。美味しいものがあれば必ずリピーターになるんだから。
一歩進んで開拓して、三歩下がってリピートするという感じか。






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