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本文とは関係のない、オペラ座 |
30分かけて歩くというと、特に日本人からはちょっとびっくりされ(こないだは「健脚ですね!」と後輩に言われて、それに対してすかさずその上司が「お前、それは年寄りに言うセリフだよ。失礼だから!かくしゃくとされていますね!みたいな感じだぜ」と注意していて、言われた私もなるほどーと勉強になったのでした・・)、主にヨーロッパ人からはそれはいいね、と同意される。雨が降っていてもジョギングしたり自転車通勤する人たちなので、30分徒歩通勤なんてまさに朝飯前的な感じなのでしょう。
それにしても、やはりこちらに来て働いてみて改めて実感する、日本との働きスタイルというか、人生スタイルの違い。
特にフランスは学校の休み期間が長く、こないだクリスマス休暇があったばかりと思ったら、今度は冬休み(年末年始が冬休みかと思っていたら、それはクリスマス休暇で、この2月の休みが正真正銘の冬休みらしい)で、また2週間もお休み。
2か月ごとに2週間休むなんて、どんなハードな仕事(学業)をしたご褒美なのか。でも、これでも夏休みが短くなったと文句を言う人もいるらしい。フランスでは、欧米ではスタンダードなクリスマス(12月)やイースター(4月)の休暇に加えて秋休み(10月)や冬休み(2月)もそれぞれ2週間ずつ休むから、夏休みが6月開始ではなく7月開始となったとか。というか、7-8月びっちり2か月間休めるのも日本からすると相当長めですが・・。
ということで、子供の休みに合わせて親が休む。こんなの日本ではあまり考えられないと思うのだけれど、みんな当然のごとくまるまる1週間休んで、スキー場のコテージを何か月前も前から予約していたり、海外旅行に行ったりしている。
単純に休みが多くてうらやましいなあとも思うのだけれど、生産性がこれで落ちていたら話にならないが、みんなパパッと仕事をしてささっと帰っていくのが日常で、休暇もちょびちょび休まずにガーっと働いて1週間単位でざくっと休むし、集中することで成果はきっちり出している。
日本では、どうしても仕事の量も多いし(慢性的人手不足)、拘束時間も長いし(結果無駄になる待機や、上司に気兼ねして残るパターンなども含め)、日々の疲れが溜まり、祝日などで1か月に1回は平日に休めるとホントにありがたく思えた。
それが当たり前だと思っていたし、まあ体力もそれなりにあったからとにかく力任せにやれば何とかなるだろうという、およそスマートとは言えない泥くさーい仕事の仕方だったのかもしれない。。
短い時間で同じような成果を出し、余暇は精神的にも肉体的にもリフレッシュする時間とするなら、経済もまわるし循環機能としては極めて正常かつ効率的だし、人生をドライブととらえれば、少なくても良質なガソリンで長く走る車が理想の車ということだろうか。
そうすると、日本はとにかくドロドロの燃料を沢山入れて、排気ガスを出しまくりながら走る疲れ切った長距離バスやトラックのようなものだろうかと、ついつい考えてしまう。
この間NHKスペシャルでやっていた司馬遼太郎のこの国のかたち特集で、フランスに留学した古市公威という土木系の役人は、「わたしが1日休めば日本が1日遅れるのです!」と言って死にもの狂いで勉強していたとか。。そんな引き合いに出すのも恐れ多いし、そんな時代でもないのだけど、この土地でほんの100年ちょっと前にそんな日本人がいたのだと思うだけで泣ける。
泣くだけじゃ意味ないですけど。
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