2015年10月29日木曜日

La bonne excuse


オルセー近くのレストランを探して、ネットで評価が高かったお店に試しに行ってみました。


La Bonne Excuse
48 Rue de Verneuil, 75007 Paris, France

01 42 61 50 21

火~土
12-14時半
19-22時半






両親が来ているけれど、私は仕事には行かないといけないので、お昼をオルセー美術館の出口で待ち合わせて、近くのレストランでランチを一緒に食べるという算段で。


オルセーでは年間パス特典の朝の贅沢時間をぜひ堪能してもらいたかったけれど、「とりあえず今日はランチ前後だけでいいわ」というので、お昼に待ち合わせ場所に行ってみたら、まず第一声が「あれは全部本物なのか?」と(笑)。
本物とは思えないほどの質と数がこれでもかというくらいあふれてるじゃないか、嘘みたいだ・・って。すっかり感動して、来週いっぱいの滞在期間中毎日通うとか言ってる。

大げさなのは、この親にしてこの子あり、と深く実感。


そして、ランチもとっても美味しくて、また感動してました。
よく考えたら、両親にとってフランスに来て4日目にして初めての外食。肉も魚も野菜も塩も、どれも素直に味を引き出しているだけなのに、それが何よりも自然の豊かさと広がりを堪能させられる、そしてワインが完成させる料理のどれも欠けてはならない名脇役(もはや何が主役かわからなくなる・・)ばかりの一皿一皿に、うなってました。ああよかった。美味しい思いをしてもらうのが一番。

ちなみに、このお店は刻みハーブがイタリアンパセリではなく、コリアンダーで、それがとってもいいアクセントになっていて、個人的にはそこにとっても感心しました。今度私もやってみよう。フレンチの味付けにコリアンダー。



今日のランチは、前菜(オマール海老のエキスのポタージュ/イカのソテー)+メイン(ほろほろ鳥(pintade)のグリルとマッシュポテト添え/魚のソテーと季節の野菜添え)一皿ずつで、20ユーロ。メイン+デザートだと22ユーロ。コーヒー3ユーロ、グラスワイン7ユーロ。


まさに、両親と待ち合わせでオルセー近くのレストラン、という「うまい口実」で見つけられたレストラン。今度はアラカルトでもトライしてみたいな。












2015年10月23日金曜日

オラネ

ここで、ダジャレを言いたくなるのをぐっとこらえて・・

アプリコットのデニッシュで名前を思い出せなかったのは、「Oranais(オラネ)」でした。

通勤途中にあるパン屋さんで、並ばずに買える唯一のパン屋さん(というのは人気がないということか・・)で、いつも買ってしまう、アプリコットとカスタードがはさんであるデニッシュ。
この形は日本でもたくさん見たことがある気がするし、何の変哲もないものと思っていたのだけれど。名前がちょっと聞きなれないもので気になり、調べてみたら、なかなかに興味深い背景があることがわかりました。




オラネというのは、Oranというアルジェリアにある地名(タンジェとアルジェのちょうど真ん中あたりの地中海に面したアルジェリア第2の都市)から来ており、そこがアプリコットの産地で、植民地時代多くのフランス人入植者が作って食べていたお菓子だとか。アルジェリア戦争終結(1962年)後、ヨーロッパ系住民でフランスに引き揚げた人たちによって、フランス国内に広まったとか。なお、その引揚者を総称して、ピエ・ノワール(pied noir)といういうらしい。直訳すると、黒い足。その由来は不明らしく、フランスの軍人は黒いブーツを履いてるのに対して現地のベルベル人は裸足で戦ったからだとか、船の機関室での作業員は石炭で汚れ、足跡が黒いからだとか諸説あるらしい。

というか、ピエ・ノワールって、有名人がたくさん。
イブ・サン・ローラン、小説家のカミュ、哲学者のジャック・デリダなどなど。

また、オランはライ(Raï)の発祥地だった!
ライとは;「20世紀前半の両大戦間、都市に定住しはじめた遊牧の民ベドウィンの歌謡が、この地を通過したさまざまな音楽文化と混交して成立したものですが、今日のライはアラブ音楽といっても民俗音楽や伝統音楽のイメージからはかけ離れていて、アルジェリア独特の香りを保ちながらも驚くべきモダンな、多彩な音を聞かせてくれます。」
(http://franc-parler.main.jp/Rai.html からの抜粋)

大学の留学時に、ずっと聞いていたCheb Khaled のAïcha。まさにオラン出身の世界的なライ歌手だったのか。。

うーん。たかだかアプリコットデニッシュから、いろいろ世界が広がる。


なぜか固有名詞が気になるこの頃。普通の人はあんまり気にしないのかな。
今日のランチで同僚のノルウェー人(アメリカンフレンチ(どっちもドッグが連想されてしまうけれど)の旦那さんと学生時代からパリに住み続け、英語もフランス語もノンストップでずっと話し続けられる器用なマルチリンガル。仕事も優秀だし、性格も気さくだし、とっても素敵な女性。)に、ビラケム橋の名前の由来を話したら、「15年以上そのふもとにある職場で勤務しているのに、そんな由来があるなんて、まったく知らなかったわ!」と言われてしまった。


2015年10月21日水曜日

いつもの橋

いつも渡る橋がある。

30分ほどかけての徒歩通勤の毎日。
東京では駅近至上主義だったのに。
坂道も石畳も犬のフンも今のところ歩くのが苦になるほどでは全くない。
まあ調子に乗って歩いていると、さすがに犬のフンはふんづけないが、石畳でバランスをくずして足をグキッとつまづきがちなので、その内捻挫してもおかしくはないけれど。

それよりも、セーヌにかかる何本もある橋のうち、通勤で利用する橋は、渡るたびにここが通勤経路であることを感謝せずにはいられない。










毎朝、毎夕、お天気によってさまざまな表情を見せてくれるその橋からの眺め。
エッフェル塔が一番きれいに見えるスポットとも言われるし、橋のつくりそのものが美しい。
二層構造になっていて、高架の上は6番線メトロが走り、アーチ状の柱の下は徒歩、自転車道、その脇が車道となっている。高架からは時代がかった大きなランプが吊り下がっていて、風景にとても馴染んでいる。


あまりにも定番スポットなので、大げさではなく、ほぼ毎日、その橋の上で撮影が行われている。あくまで主観的な統計ですが、70%くらいはウェディングカップルの記念撮影で、そのうちの60%が中国系、55%が韓国人のカップル。というか、ほとんどアジア系。
普通の洋服のカップルが、高架の下のアーチを手をつないで一直線に歩くというのを動画でとっているのも多い。韓国ドラマの有名なシーンにでもあるのだろうか・・。
わざわざこのためにパリに来たのではないかと思わせるほど(ホントにそういう人たちもいるのかもしれない)。

映画「地下鉄のザジ」でも使われてました




ちなみに橋の名前はBir Hakeim橋といい、第二次世界大戦で自由フランス軍とロンメル将軍率いる枢軸国軍が激戦を繰り広げた北アフリカはリビアの砂漠上にある地名をとっている。すなわちアラビア語の固有名詞で、言葉の意味としては「賢人の泉」という感じか。ここではフランス語的にユニゾンさせて読むので、ビラケムと書くと発音しやすいだろうか。


歩くたびに徳が積まれて賢くなるというようなご利益は・・今のところない。けれど、朝日や夕日に染まるエッフェル塔やセーヌの水面は、キラキラと輝いて、華々しく、英雄たちをたたえるのにとてもふさわしいのではないかと思う。







2015年10月19日月曜日

パリの食材店

ユーゴ・デノワイエという名前は知る人ぞ知る、パリで一番イコール世界で一番のお肉屋さん、らしい。

肉職人、と言われるのだそう。

街のお肉屋さんは、どこも朝からとてもいい匂いをさせて、寝ぼけた頭を食欲で目覚めさせてくれる。店頭には、チキンが丸ごとローストされて、グルグルと回っており、その匂いにつられて店内を覗くと、キラキラと赤く輝く様々な部位のお肉が誇らしげに並び、何よりもそれを扱う男たちの手や、立ち姿がとっても素敵なのである。まさに、職人。


ユーゴさんのお店に入る前に、窓ガラスに貼り紙があるのを見かける。大統領府の厨房や有名三つ星レストランなどの名前が書かれたリスト。ここのお肉を仕出ししているとのこと。日本で言えば、宮内庁御用達というところか。。

そして、いよいよ店先のいわゆるプチレストランで、食べてみました。フィレステーキ。シンプルすぎるくらいシンプルだけれど、肉の素直な味、肉が食べた牧草の味まで想像してしまう、素朴さ。自信を持って提供するのは、こういう何の誤魔化しも衒いもない、素材本来の味がそのまま引き出されているものなんだろうと、至極納得。
ちなみに、付け合わせのポテトも目が飛び出るほど(どんだけ大げさ…)美味しかった。



Table d’hôtes d’Hugo Desnoyer
28, rue du docteur Blanche
75016 Paris
Tél : 01 46 47 83 00
www.regalez-vous.com
Ouvert du mardi au samedi de 10h30 à 16h30.










なんと、近々東京は恵比寿での出店を予定しているそう。
さすが、舌の肥えている日本人。東京はホントになんでもあるんだなあ。
















たまたま、ユーゴさんのお店に行った次の日に、チュイルリー公園付近をうろうろして、ふらりと入ったお店も、日本への進出を計画しているのだとか。

まったく、グローバル化は、食いしん坊のためにあるのだろうか。

このお店、右岸で日曜お昼に開いている貴重なお店で、ルーブルやオペラ界隈散策の休憩所には最適かもしれない。とてもこだわりのある食材屋を兼ねたレストランで、ソーテルヌの貴腐ワインに付け込んだレーズンをチョコでコーティングしたものがお土産として有名(らしい)。袋入りで11ユーロ。薫り高くて、ちょっとつまむには勿体ないほど。オトナの夜更け、読書のお供などにはちょうどいいのかな。


DA ROSA RIVE DROITE
19 bis, rue du Mont-Thabor
75001 Paris
01 77 37 37 87
Du lundi au vendredi de 11h à 23h.
Les samedi et dimanche de 11h à 23h30.







2015年10月13日火曜日

くもり空

今日の最低気温は9度。いよいよ10度を切ったとのこと。
アパートのヒーター(セントラルヒーティング)は10月に入ってからスイッチが入っているようで、パイプを触るとほのかにあたたかい。ほのかに・・真冬にはちゃんと暖かくなるのだろうか。
初めてのことばかりで、不安と期待が入り混じる日々。

わかっていれば、気を付けて臨めば済むこと。何がどうなっているのか、これからどういう展開になるのかがわからない状態が、人を不安にさせる。
不安とうまく付き合うのは忘れること、他の楽しげなことに没頭することの二つがメジャーな処方箋だと思うが、圧倒的に忘れる方が得意。忘れるというか寝る。

昨夜も風呂のお湯が途中で出なくなり、髪を洗わずに切り上げざるを得なくなり(朝にはちゃんと熱いお風呂に入れる。)、やはり水回りのトラブルとは避けて通れないパリの生活なのかと不安が頭をよぎるが、あっという間に眠ってしまった。


オルセー美術館の年間パスも、2週間で正規カード(それまでは臨時カードで代用)が届くということだったのに、案の定2週間と2日経ちましたが届かず。聞いてはいましたが、この郵便事情の悪さ。ついつい、カイロと比較したくなってしまう。
このレベル、カイロ以外では知らないので。。

郵送を強いるものは極力避けたいと思わせる。だからなのか、フランスは結構ネットサービスが発達しているような気がする。問い合わせでもなんでもネットがからむことが多い。
タクシーもネットで呼ぶし、コンサートや鉄道のチケットもすべてネットで取得し、プリントアウトするか携帯からバーコードを読ませるだけ(まあどこでもそうか。)
プリントしないといえば、オフィスでも書類を紙に印刷することはめったになく、極力PC上で作業する(エコが徹底されているというよりは、紙の整理が面倒という方が強いかな)。

紙の文化にまだまだ愛着がある私は、この辞書が手放せない。
(たまたま開いたページはmanifestation!)


そのうち何かのデモに参加したくなるのだろうか。さしずめ、ストやめてくれデモ。





2015年10月12日月曜日

贅沢な時間

たとえば、こんなことができたらいいな(どらえもんか)と思い描くことの一つに、誰もいない美術館にしのび込んで一晩明かす(というのは映画の話)というのがある。そこまでいかなくても、人を見に来たのか絵を見に来たのかわからなくなるのはうんざり、というのはよくあることではないだろうか。

好きかどうかわからないけれど、とにかく有名だから見に来た、というのは自分も含めてやめてほしいなあと(←モナリザだけを見にルーブルに行ったのは私です、はい)。
好きだからなおさら一人でゆっくり静かに見たいという方がもちろん強い。

ただ、まさかそんなことが、世界一の美術館(Trip Advisorの投票では欧州1位、世界2位らしいけれど、恣意的な投票なので、世界一と言っている人もたくさんいるだろう)でできるとは。


オルセー美術館の年間パスを購入すると、通常9時半開館のところが、30分早く9時から入館できるというので、行ってみました。
週末だし、そんな特典はきっと多くのパリ在住者が享受しているだろうと思って、遅れをとるまいとやや焦りつつ9時過ぎに入館したところ、係りの人以外ホントに誰もいない。
ゴッホもゴーギャンもセザンヌもマネもモネもみんなほぼひとりじめ。(3人くらいお客さんがいました)

時間が止まるというか、透明人間になった気分というか、あるいはテレビや雑誌の特集で、貸し切り状態にして案内役をつとめる女優になった気分というか(あくまで気分)。
夢のような時間が朝におとずれる。週末の早起きは必須である(9時入館のためには8時に起きればいいだけ・・汗)。

静かに豊かな時間を堪能することの贅沢は、早起きはさることながら、いろいろな労力を払うことでかなう場合もある。たとえば少し行きにくいところにある、お金持ちが私財をおしげもなく使って建てた優雅な美術館。少々料金が高くても、満ち足りてたまにはこういう贅沢もいいなという気になる(生まれ変わったらいつか建ててみたい。たぶん現世では宝くじに当たらない限り無理。)。

でも偶然かなうこともある。
昔9.11事件の直後に中東から観光客がどっといなくなったとき、ヨルダンのペトラ遺跡を訪れることがあり、あのインディ・ジョーンズ最後の聖戦の舞台を案内役のヨルダン人と1-2組の他の観光客以外誰もいない中で見たのは壮観で、タイムスリップしたかのような錯覚に陥ったのを思い出した。

その直後にラマダン中の移動がとてつもなく大変なことだと思い知ることになるのだけれど(と同時に、アジア人の女性を親切に助けてくれるヨルダン人たちのやさしさと思いやりも深く身に染みるのだけれど)。この3つはセットでヨルダンの思い出。







2015年10月9日金曜日

カジュアルフライデー

日本の職場と比べていろんなことの自由度が高いけれど、もちろん服装もその一つ。
リラックスしすぎなんじゃないかと思う人もいるかもしれないが、清潔感があって、相手に妙な違和感を覚えさせなければなんでもいいということかと。大人の装いというか、それぞれ個性というかこだわりが見られて、細かく観察しているとなかなかにおもしろい。
パリだから特別おしゃれさんが沢山いるというわけではないが、ヨーロピアンが多い職場なので、着心地重視というよりは、ジャストフィットで小物(カフス、靴、アクセサリーの類)に気を使っているなあと感じることが多い。好きなものを楽しんで選んでいるんだなあと、どんなに堅物そうなおじさんでも、そこらへんのこだわりが見えると微笑ましく思えてしまう。
歳を重ねるほどに身につけるものへの愛着が増すって、いいですよね。

また、私自身も観察するのが好きだけれど、みんなもそれぞれよく見ている。
服装を褒めるのは、天気と同じくらいの挨拶シリーズで、こないだもお気に入りのフェラガモのスカーフをしていったら朝一番に隣の課の秘書さん(おそらく50代前後くらいかと思うけれど、ロックバンドの女性ボーカルのような、黒い革ジャンにミニスカートから惜しげもなく細くきれいな脚を出していらっしゃる方)から、「ラブリー・スカーフ!!」と目ざとく?褒められてしまった。

人生の先輩の女性に服装を褒められるのはとても嬉しい。
私も若い女の子にどんどん服装を褒めるようにしようと、心に留めておく。


ということで、今日はカジュアルフライデー。
そういう概念が厳しく決まっているとは思えないほど、フライデー以外も割にカジュアルなんですが、今日はやっぱりジーンズ率が高い。
「日本では職場にジーンズなんてあり得ないのよ」というと、皆にびっくりされる。
チノパンはいいんですけどね。というのはあまり響かない(そんなの当たり前だから)。
夏のアロハやポロシャツはむしろ推奨されているんですよ、エコなんで。といっても、なぜアロハ?とまっとうな疑問が返ってくるだけ。日本人、ハワイが好きなんで。とでも答えるべきか。


いつか日本の職場でもジーンズOKな金曜日が訪れますように。



2015年10月8日木曜日

タルトポンム

りんごを甘く煮てパイで包んで焼くというものが、いつから好きだったかというと、おそらくはるか昔。小学生のときお小遣いで買うおやつはヤマザキパンのアップルパイと決まっていた。なんであんなにリピートしたんだろう・・というくらい。子供の嗜好はホントに保守的というか一途というか。


その後は、大学生でフランスに留学した時、お母さんがエアメールで送ってくれた新聞の切り抜きのレシピでリンゴとサツマイモの甘煮という秋の醍醐味のようなものが無性に食べたくなり、リンゴというよりはサツマイモが食べたかったのだけれど、日本と違って普通に煮ても全然美味しくないフランスのサツマイモが、リンゴと一緒に甘く煮るとリンゴだけの甘さにとどまらず絶妙の変化を添えてくれる名引き立て役のようないい仕事をすることを発見。レーズンを入れたりシナモンを入れたり、いろいろ改良しつつ、なんといってもこれを冷蔵庫で冷やして、朝にフロマージュブランと食べるのが我ながら天才的においしかった。ヨーグルトやアイスクリームではダメで、フロマージュブランでないとはまらない(勝手に)。留学が終わってから、フランスの生活が恋しくなることはたびたびあったけれど、フロマージュブランのない暮らしもその一つだったことは間違いない。

それでも秋が来るとリンゴを煮て、トーストの上に乗せて食べたり、パイシートで包んで焼いたり、ということを繰り返している内に歳を取ってしまったような気もする。
大人になっても変わらず好きなんだなあ。

衝撃的だったのは、数年前に青森に旅行したときのアップルパイのレベルの高さ。弘前にはアップルパイ・マップという市内のパン屋・ケーキ屋の案内図があり、夢中で梯子した。葉とらずりんごのジュースも、文字どおり「今までで一番」美味しいリンゴジュースで、海外に輸出するべきだと一時期熱っぽく周囲に語ってしまっていた。その熱の伝播力というか影響力は全くないんですけどね。



いや、ただ今朝のタルトポンムがおいしかったというだけなんです。りんごがきれいに薄くスライスしてあり見た目も美しい。




実はでもここのパン屋はクロワッサンが絶品。イル・ド・フランスで4番目に美味しいクロワッサンだそう。日本でいえば関東圏で4位!みたいなものか。。





日本のパリ特集誌でも何度も取り上げられているポワラーヌのタルトレットとどっちが好きかと言われれば、やっぱりまだ私はりんごがごろんとして、生地が素朴なタルトレット派だけれど。このまま追及していくと、パリのアップルパイ・マップをいつか作りたくなるのだろうか。

と思ったら、考えることは皆一緒ですでにフィガロで特集してた。2012年に。ポワラーヌは3位。


ストもあるし、役所の仕事は遅いし、歩きたばこは多いし、いろいろ不快なこともあるフランスだけれど、こういうパンを食べると心底脱帽というか、これを生み出す環境すべてに感謝したくなってしまう。






2015年10月7日水曜日

なんでもない日

いつものとおり、少し朝寝坊して、適当な洋服を着て家を出る。
家の前にはごみ収集車を待つ大量のごみが。ちょっと異常に多い気がするのは、雨が続いていたからか、ごみ収集事情がまだよく把握できない。。
風が冷たくて心地よいし、それほど太陽もまぶしくないので、ビラケム橋を渡るにも目がくらまなくて済むなあと考えながら、とりあえず遅れないようにと歩を進める。
途中のパン屋さんで、今日はアプリコット入りのデニッシュ。名前をまた忘れてしまった。
紺のヨットパーカーとおそらく制服のスカートとグレーのブーツを履いていた小学生の女の子とすれ違って、自分もああいう恰好がしたいと思いつつ。小学生さえもファッションの手本になるなんて。感心。

職場に来たら、12月の韓国出張の件で、航空会社からフライト時間変更の通知メールが。
どれだけ遅れるのかと思ったら、帰路のフライトがなんと10分早まるというだけ。
拍子抜けというか、こんなの初めて。秘書と笑いながらびっくりし合う。

仕事はまだ不慣れというか、勝手がわからないことが多いけれど、わからないことを一つ一つ丁寧に取り組んでいけばいいのかなと、最近は焦らないでいようという気持ちになっている。これも時間的な余裕と周囲の理解があるからで、感謝と精進しなければ。


帰り道に嬉しいことがふたつ。

いつもの野菜&フルーツやさんで、玉ねぎ、にんじん、マッシュルームと、クレモンティーヌを買う。寒い季節にはやっぱり柑橘類。
日本にはないクレモンティーヌ。外の皮が厚く、色もみかんよりももっと力強く濃い橙色という感じ。食後に食べたら、とっても美味しかった。外皮をむくと、実はぎっしりで、薄皮そのまままったく気にならずに食べれる。



あとはアパートのエレベーターで素敵なマダムと一緒になり、思い切って尋ねてみた。
「ゴミがここ数日回収されずに放置されてますね、どうしてでしょう?」
マダムは首を横に振りながら、「ああ、ストよ。本当に嫌ね」と。
なるほど、当たり前じゃないか季節行事のストですね。すごい雨が降ってたから回収が遅れてるのかと勘違いしたとは、アホすぎるしフランス語としても通じるかわからなかったので、「パリに住み始めて間もないので、そういう事情があるとは知りませんでした」と、簡単な単語ばかり羅列して会話を続けると、マダムは「まあ。それはなんというか、ごめんなさいね(パリがこんなんで)。ホントに不快だわよね。」と笑顔で返してくれた。
上品なマダムと束の間の井戸端トーク、そしてゴミ収集の謎が解けてすっきり。

レバノンかよ!と内心突っ込んだ私。そのツッコミも相当レアですけど。
マダム曰く、本当に明日には終わってほしいわね。。